アレニウスモデルによる電子部品の寿命予測

一般的に半導体デバイスの劣化の物理、化学的な現象を表すには、アレニウスモデルが用いられます。
アレニウスモデルは故障の温度依存に対する基本的な化学反応モデルであり、半導体デバイスの温度ストレスによる加速寿命試験の寿命推定に用いられています。
接合部寿命予測では、In-Situ常時測定を併用することでデータ収集までの自動測定が可能です。

アレニウスモデル

数式
スウェーデンの科学者アレニウスが1889年に発見した関係です。 ある劣化量に達した時を寿命(τ)と定義すると、lnτと1/Tは直線関係が成立つもので、これはアレニウスプロットと呼ばれています。

ただし、A:定数、Ea:活性化エネルギー(eV)、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、とします。

寿命予測解析の流れ

装置
  • 左図は温度加速試験槽とIn-Situ常時測定モニターユニットを示します。
  • 試験温度:3条件
    In-Situ常時測定により評価接続部の抵抗測定を行い、不良発生時間及び個数をモニターします。
ワイブルプロット
  • 異なる温度条件(T1、T2、T3)にて信頼性試験を実施。たとえば、接合抵抗値などをIn-Situ常時測定します。
  • 各試験温度毎の不良品について、縦軸:累積不良率F(t)、横軸:不良発生時間をプロットし、直線近似式を求めます。(ワイブルプロット)
  • 各温度毎の近似線の傾きを比較し、各温度での同一不良モードであるかの確認を行います。
  • 要求累積故障率F(t) での各試験温度での寿命時間(τ1、τ2、τ3)を確定させます。
    寿命とする累積故障率は製品の市場流通量を考慮して決定するが、左例ではF(t)=0.1%にて算定しています。
アレニウスプロット
  • アレニウスプロットを使用し要求累積故障率での
    ・該当温度(T1、T2、T3)
    ・時間(τ1、τ2、τ3)をプロットします。
  • グラフより所望の温度Tx におけるln(τx ) を求め、予測寿命時間 τx を算出します。
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