製品構成素材を、透明、色彩豊かにすることで、製品用途に必要な機能特性や芸術性、意匠性などが付与されますが、使用される環境により黄変(変色)し、それらの特性が損なわれることがあります。
透明度、色彩を人の目の感覚ではなく、数値データ化することで、客観的な評価が可能となります。
色差測定原理と取得データ(XYZ Yxy表色系)
光源から放出される光が透明試料を通過し、積分球ボックス内で、透過した波長(透過率)と変換された表色系データを取得します。
装置原理(イメージ)
透明樹脂の測定例
測定サンプル PMMA:アクリル PC:ポリカーボネート PET:ポリエチレンテレフタレート
<サンプル>
- サンプルサイズ:40mm角
- UV照射:波長257nm 1W×64時間
<測定条件>
- 光源:D65
- 視野:10°
- 光学条件:透過
- 測定孔径:φ30mm
- 測定波長:380ー780nm
- 波長間隔:5nm
試料名
X
Y
Z
YI
x
y
Y
PMMA
(UV照射)
86.47
91.38
95.71
4.15
0.3161
0.334
91.38
PMMA
87.43
92.18
98.63
1.88
0.3142
0.3313
92.18
△
-0.96
-0.8
-2.92
2.27
0.0019
0.0027
-0.8
PC
(UV照射)
84.35
89.35
92.27
5.53
0.3171
0.3359
89.35
PC
85.34
89.96
96.08
2.12
0.3145
0.3315
89.96
△
-0.99
-0.61
-3.81
3.41
0.0026
0.0044
-0.61
PET
(UV照射)
81.62
86.04
88.26
6.9
0.3189
0.3362
86.04
PET
84.23
88.84
93.67
3.6
0.3158
0.3331
88.84
△
-2.61
-2.8
-5.41
3.3
0.0031
0.0031
-2.8
データ解析
- UV照射により素材は劣化黄変し、複数短波長吸収により、明るさ(光強度)は低下している。
- UV照射後の可視光短波長の透過率低下はPCが大きく、劣化による分子構造変化で共役系が増した可能性がある。
装置仕様
測定孔径(mm)
反射:Φ5・15・30 等価:Φ30
光学条件
反射 透過
光源
A C D65 F6 F8 F10 F11
視野
2° 10°
測定項目(表色系)
XYZ(Yxy) L*a*b* L*C*h* TI △Y
ハンター マンセル グレースケール