環境にやさしい、そして無駄のない開発製造という姿勢が、技術分野に求められ、世界全体で地球規模
の視点で技術貢献する必要があります。本資料では、廃棄され浮遊するマイクロプラスチックの物質特定
とともに、リサイクル原料の劣化程度を比較分析した事例をご紹介し、使用可否判断をアシストいたします。
マイクロプラスチック物質の特定分析事例
数ミクロンで浮遊する物質を採取し、ラマン分光装置にて分析しました。
取得したスペクトルより、浮遊物質は、ポリスチレンであることが分かりました。
採取したマイクロプラスチック
(光学顕微鏡観察)
ポリスチレン分子構造
未使用ポリプロピレン原料と再生品(ペレット)の分子量分布の比較事例
ポリプロピレン(PP)は、汎用性プラスチックで日常品の材料として幅広く使用されています。
GPC(SEC)による分子量の評価結果から、使用品は分子量が低下していることが分かります。
紫外線等により、ポリマーの主鎖が開裂し分子量が低下し、また、分解により分子量が揃う傾向を示します。
分子量の低下は、強度特性に影響を及ぼすため、リサイクル可否判断に分子量調査は有効です。
顕微IR分析によるポリエチレンテレフタレート(PET)原料の比較分析事例
スペクトル結果より、再生品は、未使用品と比較すると、酸化により劣化しています。
エステル部分-COO-が切断され、酸化されている。分子量も低下していると思われます。
アイテスは上記以外に、硬度測定、熱分析(DSC、TG-DTA、DMA、TMA)、GC-MS、NMRなど、複数の手法で再生素材、原料の比較分析評価を行い、SDGsを視野に入れたモノづくり、研究開発をアシストいたします。