PMMA(アクリル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)はその透明性という特徴を活かし、多くの用途に使用される。液晶ディスプレイの周辺部材、モバイル端末画面の保護フィルム、ヘッドライトカバー、光ファイバー、繊維など産業用製品には欠かせない材料である。本資料では、それらの原料(ペレット)をIR分析した結果をご紹介します。
分析サンプル:エステル/カーボネート系ポリマーの特徴
ペレットは熱可塑性樹脂の成型用原料で、単一材料、または複合材料として使用されることが多い。
PMMA、PET、PCは、その分子構造の一部にエステル基(‐COO-)を有しており、その部分は反応性に優れ、変性ポリマー、ポリマーアロイの重合にも利用されるが、温度、および酸/アルカリ環境において分解することもあり、使用条件により特性を失うこともある。
PMMA
PET
PC
ペレット例(米粒サイズ)
IRスペクトル(ATR法)
PMMA PET PCのIRスペクトルを示す。エステル ケトン ベンゼン環 メチレン など 各分子構造由来のピークが現れる。
PMMA
PET
PC
スペクトル比較(重ね合わせ)
エステル基のケトン(C=O)のピークが特徴的で3種を比較すると、そのシフトは、PC>PMMA>PETの順に波数が強い。
これは、ベンゼン環の有無、および直結する元素のベンゼン環との共役による影響のためである。
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