GC/MS分析のための誘導体化

GC/MS分析の際、多くの物質は特別な前処理をしなくても分析できますが、揮発性が低い物質や熱安定性の低い物質などは上手く検出されず、分析が困難となることがあります。

ここではGC/MSにおいて分析困難な物質を分析可能にするための前処理方法を紹介します。

誘導体化

GC/MSにおいて分析困難な物質を分析可能な物質に変換する前処理を“誘導体化”と呼びます。

誘導化

誘導体化にはエステル化、アシル化、シリル化などがあり、分析困難な物質の種類や特性などに合わせて使い分けます。例えばカルボン酸などの酸化合物にはエステル化がよく用いられます。

エステル化
エステル化反応式

誘導体化した試料におけるGC/MS分析

クエン酸溶液、およびエステル化後のクエン酸溶液におけるGC/MS測定を行いました。

クエン酸トリメチル
クエン酸溶液
エステル化後クエン酸溶液

カルボン酸であるクエン酸は誘導体化なしでは上手く検出されません(クエン酸が脱水と脱炭酸を経て変化したと考えられる五員環構造の物質が検出されました)。エステル化を行うとクエン酸トリメチルが検出され、クエン酸の存在が証明されました。

適切な誘導体化を行うことによってより正確な分析が可能になります。

分析の目的や対象物に合わせて提案いたしますのでお気軽にご相談ください。

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株式会社アイテス 品質技術部
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