透明フィルム/シート、ガラス、ITOなどの素材は、その光透過率や曇価が製品特性に影響を与えます。これらの材料はディスプレイ製品などの構成素材やアート、集光、その逆の遮光など目的や用途も様々です。アイテスでは、素材の曇価、透過率、拡散率測定評価サービスのご提供とともに、分子構造視点のデータ解析考察もご対応いたします。
ヘーズメーター装置原理
ヘーズ(HAZE)は、曇価や濁度などと呼ばれ、透明物質の曇り度合いや光の拡散度合いを表す指標です。平行成分P.Tと拡散成分全てを含めた全光線透過率T.Tと平行成分を除いた拡散透過率DIFの比で表されます。

装置原理イメージ図(T.T DIF P.Tの概要)
各透明樹脂の測定評価例
PET:ポリエチレンテレフタレート PC:ポリカーボネート PMMA:アクリル
材料
分子構造
厚み(㎜)
T.T
HAZE
P.T
DIF
PET

0.5
89.29
0.91
88.48
0.81
PC

0.5
90.12
0.3
89.85
0.27
PMMA

2
92.42
0.25
92.19
0.23
解析考察
- 有機ガラスと呼ばれるアクリルの透過率は高くヘーズ値も小さい。
- アクリルは共役する箇所がなく光の吸収が抑えられる。
- 拡散は、結晶程度と主鎖/側鎖極性分極によるΔα(分極差)、コンホメーション変化、粗度が影響するが、主鎖の剛直と高い分極、および側鎖の低分極によりポリエチレンテレフタレートのヘーズ値が高い。
紫外線照射前後の測定評価例
材料
紫外線照射
厚み(㎜)
T.T
HAZE
P.T
DIF
PET
なし
あり
0.5
89.29
88.71
0.91
3.58
88.48
85.53
0.81
3.18
PC
なし
あり
0.5
90.12
89.48
0.3
0.29
89.85
89.22
0.27
0.26
PMMA
なし
あり
2
92.42
91.02
0.25
0.35
92.19
90.7
0.23
0.32
解析考察
- 紫外線は、素材の変質、分子コンホメーション、およびポリマー繊維間距離の変化を誘発し、光の吸収や拡散を増加させ透過率は減少する。
- 紫外線照射で素材表面が粗れ、拡散透過率が増加することで曇価(ヘーズ値)が増加している。
装置仕様、および関連サービス
装置仕様
装置
日本電色工業㈱製
対応規格
JIS K7136 JIS K7361-1 JIS K7105 ASTM D1003
取得データ
全光線透過率 ヘーズ値(曇り度) 平行線透過率 拡散透過率
サンプルサイズ
40 × 40 ~ 200 × 280㎜
関連する以下のご対応も可能です!
- 熱、湿度負荷の信頼性試験
- 試験前後の表面観察、表面粗度分析
- 試験前後の表面/定性化学分析
- 試験前後の分子量分析 など