ICP発光分光分析(ICP-AES)

ICP発光分光分析では試料中に含まれる金属元素などを複数同時に検出することが出来ます。
ここでは液晶中に含まれる微量な金属元素の分析例をご紹介します。

ICP-AES分析の原理・概要

ICP発光分光分析(ICP-AES)

試料をアルゴンプラズマに導入すると、エネルギーを受けて試料中の原子は励起状態に遷移します。ICP-AESでは原子が励起状態から基底状態に戻るときに生じる原子発光を検出し分析を行います。
原子発光の波長から元素を同定し、また発光強度から含まれる元素の濃度を分析します。

ICP-AES測定原理

分析可能元素

検出下限

試料

:約70種(Cl含む)

:0.1~数ppm(元素や条件により変動します)

:液体(固体の場合は溶液化などの前処理が必要です)

測定事例:液晶パネル内金属元素のICP-AES定性分析

LCDパネルは、電圧の印加により中の液晶配向を変えることで表示を制御しています。
液晶内にイオン性不純物が混入することで、液晶表示のコントラストムラや焼き付きの原因となることがある為、不具合が発生した際には有機・無機のイオン性不純物の分析が必要となります。
有機物の検出にはGCMS分析が、無機物の内金属元素の検出にはICP-AES分析が適しています。

ICP-AES定性分析結果

Na
Mg
Al

:液晶抽出液
オレンジ:ブランク

定性分析から、液晶中に含まれていた微量な金属元素を検出することが出来ました。
この定性分析結果をもとに、元素毎の定量分析も可能です。
サンプルの状態や分析対象の元素など、お気軽にお問い合わせください。

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株式会社アイテス 品質技術部
TEL:077-599-5020