製品を構成する材料は様々ですが、製造成形プロセスにおいて内部応力が大きく、または偏って存在すると、使用中、使用環境により変形、割れ(クラック)、特性低下などの不具合を招きます。WPA(広範囲偏光分析)
により、素材の配向、歪、複屈折を評価することで、内部応力、歪状態を把握することが可能となります。
評価サンプル 光拡散フィルムに関して
光拡散フィルム/シートは、主にLCD(液晶ディスプレイ)やアートデザイン等に使用されるが、配向の不均一、歪、複屈折率の高い素材など、製造プロセス条件や選定材料により不具合発生率に影響することがあります。
今回の評価では、恒温恒湿試験70℃85%の負荷前後で比較評価しました。
恒温恒湿試験装置
恒温恒湿負荷試験前後 位相差画像比較
絶対値
試験前の約2220nmの位相差(歪)に対し、試験後は約1690nmに減少している。
軸方位
試験前の約160°/‐20°に対し、試験後は約120°/‐60°に大きく方位が変化している。
ライン解析(ライン箇所:左上から右下)
試験前
試験後
- 恒温恒湿試験前後で、素材のコンホメーションと軸方向が変化し、熱による緩和で歪が解消しています。
- 材料はアクリルであるが、分子構造から異方性があり側鎖の分極で負の異方性となります。その一方、温度湿度ではその異方性がランダムとなり、歪の解消と異方性異方ベクトル合成を小さくしています。
Δα=主鎖分極ー側鎖分極 (主鎖分極<側鎖分極)
アイテスでは、材料の歪、複屈折の評価を分子の視点で解明いたします。
ラマン分光(定性/歪/結晶性)、XRD(X線回折)、AFM/SEM/TEM(結晶構造観察)、DSC(結晶化度)など、複数の手法でマトリックスに解析し、不具合、理論を解明いたします。
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