半導体プラスチックパッケージは保管、実装の条件等によりリードフレームと樹脂間の剥離を起こすことがあり、非破壊での観察が要求されます。
Sonoscan社製 D9600
超音波顕微鏡の仕様・原理
仕様:
パルサーレシーバー:500MHz、音響レンズ最大:230MHz、測定:反射/透過
最大測定範囲:314mm×314mm、最小ピッチ:0.5μm、画像取得数(1スキャン):100ゲート
最大測定範囲:314mm×314mm、最小ピッチ:0.5μm、画像取得数(1スキャン):100ゲート
原理:
超音波は物質の界面で反射します。超音波の進行方向に対して、界面が音響インピーダンス (密度×音速)が大きな物質から小さな物質で形成されているとき、明るいコントラストとなり、その逆の場合は暗いコントラストとなります。空気の音響インピーダンスは他の物質と比較して3桁以上小さいため、界面に剥離が存在する場合は白いイメージとなります。また、超音波顕微鏡の縦方向(深さ方向)の解像度は理論的には音響レンズのλ/2程度となります。
半導体プラスチックパッケージ剥離部観察
半導体パッケージ剥離部の 超音波顕微鏡像 | 異常部断面SEM像 | 正常部断面SEM像 |
超音波顕微鏡観察の結果、確認された異常部を機械研磨とFIBを組合せて作製した断面を観察すると、非常にわずかな剥離(~0.2μm程度)が見られた。
【関連情報】超音波顕微鏡の動画