アイテスでは毎日多くの実装基板の修理を行なっておりますが、中でもアルミ電解コンデンサの交換は特に頻度の高い作業の一つです。
アルミ電解コンデンサにも様々な種類が存在し、それぞれ極性があります。したがって交換をする際は極性を見極め、正しい向きに装着しなければなりません。

通常正しく装着している場合は、アルミ電解コンデンサ内に発生する漏れ電流は微弱であるため正常に使用可能です。
万が一極性を誤って装着してしまうと、漏れ電流が増加してしまうためアルミ電解コンデンサの中の電解液が蒸発し、その圧力で防爆弁が弾け電解液が外に飛び出す危険があります。
そのため極性は絶対に間違えないように、常日頃から緊張感を持ちながら作業を行う必要があります。
では実際に実装基板のアルミ電解コンデンサを交換してみましょう。
まずアルミ電解コンデンサが装着されている場所には、基板上に以下のような極性の表示(シルク)が印刷されています。


通常は黒または白のベタ塗りで強調されている方が-(マイナス)側、されていない方が+(プラス)側であることが多いです(上図のように+表記している場合もあります)。
基板上の極性表示(シルク)に従いコンデンサの極性を合わせ交換していきます。
ただ、先日非常に稀なケースに出会いましたので、そちらを紹介いたします。


上のアルミ電解コンデンサ交換前の画像をご覧ください。
よく見てみると、基板の極性表示(シルク)が白でベタ塗りされている側にアルミ電解コンデンサの+(プラス)側が実装されています。周辺を詳細に観察いたしましたが、+(プラス)の表示もありません。
つまりこの基板の場合は、これまでの説明とは異なり極性表示(シルク)のベタ塗りで協調されている側に+(プラス)側を装着するという従来の概念とは逆のケースです。
基板上の極性表示(シルク)の表記ルールはメーカーや基板の種類によって異なります。
したがって、アルミ電解コンデンサを含む実装電子部品を取り外す前に実装状態を十分に確認、把握をしておくことが重要となります。
アイテスの修理サービスでは、熟練の技術者により常に細心の注意を払いながら実装部品の交換作業を行なっています。