今回はグラフィックボード(ビデオカード)の紹介をさせていただきます。
近年ではCPU内蔵のグラフィック機能の発展も著しく、最近流行りのFPSゲーム(ファーストパーソン・シューティング:自らの視点で戦場さながらの臨場感を体験できるテレビゲーム)では、画面内の敵の動きの僅かな見落としが命取りとなることも少なくありません。それらグラフィック機能を滞りなく処理するのがグラフィックボード(俗称:グラボ)となります。
高度な画像の処理が必要なゲームをCPU内蔵のグラフィック機能のみでプレイすると、画面のスクロールがカクカクとコマ送りのような状態になり、フィールド上で本来の能力を発揮することができません。そこでグラフィックボードを追加することになるのですが、例えば最も安価なエントリークラス(1~2万円程度)のものでも重いエフェクト処理などを省くことで、一応楽しめるレベルにはなります。
ただし、解像度の高い4Kモニターで表示するとなると、最低でもミドルクラスのグラフィックボードが必要となります。
ちなみに筆者が使用しているグラフィックボードは以下のものとなります。
グラフィックチップメーカー:NVIDIA
グラフィックチップ:GeForce GTX 1070
グラフィックメモリ:8GB
世代的には1世代前のものですがミドルクラスの上位モデルのためフルHD解像度では今のところどのゲームでも快適に動作できています。また4Kモニターは持っていないので細かい画像処理能力は不明ですが、重い効果演出の処理はもしかしたら少し厳しいかもしれません。
コンシューマーモデルのハイエンドクラスになると10万円以上のモデルも珍しくなく、中には20万円を超えるものもあります。またディープラーニングなどで使用されるものになると1枚のグラフィックボードが150万円程度するものもあります。
また、グラフィックボードは発熱・消費電力が大きく、大抵の場合CPUの消費電力量を上回ることになります。例えばGeForce GTX 1070を例にあげるとTDP(熱設計電力)は150Wなので消費電力も大凡150W程度となります。* CPUはせいぜい65~95W程度のため、いかにグラフィックボードの消費電力が大きいのかが分かっていただけると思います。
※TDPの考え方は非常に複雑なため、単純にTDP≒消費電力と仮定しています。
この発熱ですが、グラフィックボードの稼働時グラフィックチップの温度は80℃近くになっています。そのためゲームをプレイしている時はドライヤーの“弱”程度の熱風がパソコンから出てきていることになります。
これほどの発熱量のため、ホコリなどで冷却ファンなどの排熱が滞ると自らの熱で簡単に壊れてしまいます。
(ホコリによる詰まりが原因だったかはわかりませんが、筆者も一度ファンの回転不良でグラフィックボードを壊してしまったことがあります。それからは必ず定期的に冷却ファンはクリーニングするようにしております。)
写真のようにグラフィックボードの冷却ファンはCPUファンや電源のファンに比べると直径が小さく非常にホコリがたまりやすいという印象ですので、皆様もグラフィックボードが搭載されたモデルのパソコンをお使いであれば一度パソコンの中を開けていただき、ピンセットや綿棒などでクリーニングをすることでグラフィックボードの寿命を延ばすことができます。
高価なうえに、やや修理が難しいのがグラフィックボードですので、日頃のメンテナンスがとても重要ですね。