前回2001年当時のパソコンを紹介させていただきましたが、今回は2002年頃にDual CPUを初めて搭載した自作パソコンの思い出を紹介したいと思います。
まずDualCPUとは何かというと、最近では当たり前となっていますDualCoreと原理は同じです。
但し1つパッケージの中で2個のCoreが入っている物のがDualCoreであり、マザーボード上に2個のCPUが搭載されているものがDualCPUになります。
当時CPUはパソコンに1つしかないのが一般的で、サーバーやワークステーションなどの性能を求められる物のみ複数のCPUが搭載されていました。サーバーやワークステーションは大変高価で手の出せる物ではなかったので安く性能の良いパソコンを自作してしまおうという発想からDualCPUのパソコンを作ってみました。
DualCPUを導入するにはまず、同じCPUを2個、DualCPU対応のマザーボード、DualCPUに対応したOSが必ず必要です。またDualCPUを最大限に生かすためにはマルチスレッドに対応するアプリケーションも必要になります。当時のアプリケーションはシングルスレッドのみ対応するものが多く、その場合は片方のCPUのみで動作してしまいます。
DualCPUを導入しようと思った一番のきっかけは、音楽が好きなため大量のCDを持っていましたが、いつもCDを入れ替えて音楽を聴くのが手間だったので、パソコンに取り込んでしまってパソコンで聴いてしまおうと思ったことです。しかしWAVEファイル(CDのそのままのファイル)でCDを保存してしまうとCD一枚で600MB程度必要になってくるため、当時の最大容量でも80GBのハードディスクでは、130枚程で全容量を使ってしまいます。高価な大容量ハードディスクを音楽だけで使ってしまうことは予算的に厳しいので当時画期的だった音楽圧縮ファイルの技術 MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)を使うことにしました。容量が1/10になり80GBだと1330枚も保存できるようになります。
ただしCDから音楽を抜き出してMP3に変換する作業はCPUの処理能力が変換時間を左右することになります。
そこで2つのCPUを使い変換時間が短縮できないかと思いDualCPUを導入してみたのです。
最終的に使っていた環境は以下の通りです。
CPU: | Intel Pentium3 933MHz ×2台 |
メモリ: | ノーブランド PC-133 256MB × 1枚128MB × 3枚 合計640MB |
マザーボード: | Rioworks PDVIA |
IDEハードディスク: | Maxtor 40GB 2台 + Maxtor 20GB + Maxtor 13.6GB |
SCSIハードディスク: | Seagate 18.2GB 2台 |
光学ドライブ: | BUFFALO IDE DVDドライブ Plextor IDE CDRWドライブ |
拡張カード: | AGPグラフィックカード Leadtek WinFast GeForce 3 PCI RAIDカード ACARD AEC-6880 PCI1394カード BUFFALO IFC-ILP PCIUSB2.0カード ASKセレクト AS-U028-LP PCI Soundカード Creative Sound Blaster Live! PLATINUM |
OS: | Microsoft Windows 2000 |
雑誌などの情報よりDualCPUは相性問題が多く難易度は高いとは思っていましたが、案の定動作を安定させるのに非常に苦労しました。しかし、速度は2倍とまではいかないものの、1.5倍くらいの処理速度が得られ、すぐにスピードの差を体感できました。
しかしSlot1と呼ばれるファミリーコンピューターのカセットみたいな形をしたCPUをチョイスしたせいか、振動にすごく弱くパソコンを揺らしたりすると止まってしまう弱点がありました。結果、このパソコンはCDからMP3を作る作業を終えてからはあまり使わなくなり、それまでのDuron1.3GHzをメインで使うことになりました。
当時は“これでDualCPUは懲りた”と思っていましたが、後日また懲りずに速度を追い求める日々に突入することになり、そちらはまた機会があれば紹介したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!