2021年の4月のメールマガジンにて弊社のPCのオーバーホールについて、電解コンデンサ、冷却ファンの予防交換、CPUグリスの再塗布を例に挙げご紹介しましたが、今回はその第2弾としてハードディスクの予防交換についてご紹介します。
ハードディスクの予防交換
ハードディスク(以降HDDと呼ぶ)も消耗パーツの一つに挙げられます。
HDDにもIDE、SATA、SCSI、SASなど様々なタイプがありますが最近こんな症状が出ていませんか?
- 起動速度が遅くなってきた
- 動作が不安定
- HDDから変な匂いがする
- 起動時HDDの異音がする など、、、
このような場合、HDD自体が異常を発していることが考えられます。
HDDが壊れてしまうとインストールされているOS(Windowsなど)や大事なデータなども開けられず、パソコン自体が使えなくなることを意味します。
そうなる前にHDDも予防交換の対応をしています。

上記のような症状が出ていなくて今は普通に動作している場合でもHDD自体は劣化が進行しています。ではHDDの劣化状態はどうやって知ることが出来るのでしょうか。
HDDは円盤を回転させてデータの読み書きをする構造ですので、使用頻度と共に円盤の表面がすり減っていき寿命が進行していくものです。
特に起動時はディスクが高速回転するため一番負担がかかります。
HDDの寿命については、使用時間(稼働時間)と電源投入回数(起動回数)が重要なポイントとなります。
HDDの劣化具合を検査するフリーソフトとしてCrystalDiskInfoがあります。
このソフトは、型番や容量の情報の他に、使用時間、電源投入回数、温度などのS.M.A.R.T情報を見ることが出来ます。
S.M.A.R.Tとは、Self-Monitoring Analysis and Reporting Technologyの略称です。
HDDなどのストレージ製品に内蔵される自己診断機能の規格で、HDDの状態を数値化し故障の早期発見や予測の参考にすることが出来ます。
CrystalDiskInfoでは、これらの各検査項目の結果を、「正常」「注意」「異常」の3段階で判定してくれるためHDD交換のタイミングの見極め時の参考になります。

上図は160GBのSATAのHDDでCristalDiskInfoを実行した時の画面です。
HDDの型番は勿論、先ほど重要なポイントと挙げた電源投入回数と仕様時間も把握することが出来ます。
HDDの寿命は使用状況によっても異なる上、投入回数や使用時間も一概にここまでという具体的な定義はありませんが、HDDの診断ツールの一つとして交換時期の目安を確認し、予防交換の推奨をさせていただいております。
しかしながらHDDは突然予期せぬ事態を招き故障することもあります。
HDD自体の交換は推奨出来ても、壊れたお客様の大切なデータの修復までは難しいためまずはHDDが健康なうちにバックアップをとっておくことを推奨致します。
たまにお使いのPCのHDDの健康状態も気にかけてあげてみてはいかがでしょうか。
続く