PC98、FC98は国内の製造ラインでまだまだ現役で使われていることが多く、設備管理者様の悩みの種であるということをよく耳にします。アイテスではそれら1台でも多く復旧、修繕ができないかと日々考えております。
最近特にPC98・FC98の修理についてお問い合わせが増えており、アイテスでは修理対応の強化に取り組んでおります。
具体的には“交換部品の確保”と“テスト環境を整備”について進めています。
これら場内の取り組み状況のご案内とともに、今回はPC98の特徴を紹介させていただきます。
CPUについて
この時代に使われていたCPUは286、386、486やPentium、Pentium MMX、Pentium2、Celeron等になります。
現在社内にはsokcet5、Socket7、Slot1についてはある程度の部材が揃っているような状況です。

メモリについて
一部の機種を除きPC98・FC98はSIMMと呼ばれるメモリが使われております。
SIMMにはEDO (Extended Data Out)とFPM (Fast Page Mode)があり、その中にはエラーチェック機能があるECCタイプ、パリティあり/なしがございます。
分かりやすく表すと以下の表のように4種類のメモリがあることになります。
これは全て同じ形状をしておりますので誤って使用すると起動できません。
メモリタイプ | FPM (Fast Page Mode) | EDO (Extended Data Out) | ||
---|---|---|---|---|
エラーチェック機能 | パリティなし | パリティあり | ECCなし | ECCあり |

HDDについて
HDDは当時IDE接続のものが使われております。
これは10年以上前に一般的なパソコンに採用されていた規格であり、現在徐々に入手困難になりつつありますが、今のところアイテスでは潤沢にIDEのHDDの在庫を保有しております。
ただしPC98、FC98では2.1GBや4.3GB以下しか認識しないなどの制限があるため40GBや80GBを取り付けてもそのままでは使うことができませんので注意が必要です。
予備機の保有について
現在アイテスで準備できる予備機は下記となります。こちらの機種は販売も可能でございます。
PC-9821 RAシリーズ
PC-9821 Vシリーズ
PC-9821 Xaシリーズ
PC-9821 Xcシリーズ
PC-9821 Xeシリーズ
PC-9821 Xsシリーズ
PC-9821 Asシリーズ
PC-9801 BAシリーズ
PC-9801 FAシリーズ
PC-9801 FSシリーズ
PC-9801 RXシリーズ
FC-9821 Kaシリーズ
FC-9821 Xaシリーズ

最後に・・・
FC98やPC98の“ノートパソコン”については更に部材の調達も困難となり、常時枯渇している状況ではありますがアイテスは今後もそれら調達の強化を図っていきますのでお気軽にお声掛けいただければと思います。
老朽化が進む国内製造設備の最大のテーマ『シリーズ/PC98・FC98の保守、修理について』いかがでしたでしょうか。次回はこれらを修理する際の“テスト環境について”の取り組みを紹介させていただきます。お楽しみに。