メモリは何をしているの?
メモリの種類について
SDRAMの中にも種類がありPC66、PC100、PC133、DDR SDRAMにはPC2100(DDR 266)、PC2700(DDR 333)、PC3200(DDR 400)、DDR2 SDRAMにはPC2-4200(DDR2 533)、PC2-5300(DDR2 667)、PC2-6400(DDR2 800)、DDR3 SDRAMにはPC3-8500(DDR3 1066)、PC3-10600(DDR3 1333)、PC3-12800(DDR3 1600)、DDR4 SDRAMにはPC4-17000(DDR4 2133)などがあります。同じ規格でもそれぞれスピードが違います。間違えて取り付けてしまうと、パソコンが起動しなくなる事があります。
またPC○○という呼び方はチップの規格で、DDR○○というモジュールの規格の呼び方もありますが、スピードを表す規格は変わりません。メモリ購入される場合は、どちらか1つの確認でも問題ありません。
デスクトップパソコン用メモリはDIMMと呼び、ノートパソコン用メモリはSO DIMMと呼ばれます。
最近搭載されているメモリは、同じ種類のDDR3でも低電圧版と通常のメモリがありますので、増設される際は、この種類を十分注意して購入してください。以下の写真のように、PC3の後に「L」という文字が追加されています。
故障傾向について
DDR3低電圧版が搭載されてから、メモリの不良率が以前に比べて上がっています。これはメモリモジュールの内部抵抗が下がったことによる、故障がほとんどです。一見すると動いている場合もあり、原因の特定が厄介な不具合です。
またデスクトップパソコンや、通常のノートパソコンなら市販されているメモリで交換できますが、ウルトラブックやモバイルパソコンは、メモリモジュールがBGAと呼ばれるボール状のハンダによって接合しているため、交換できません。また、基盤に負荷を掛けてしまうと、ハンダが割れてしまう場合があります。
基板への接合は、BGAだけではなく樹脂製接着剤で固定しているため、一昔前よりは丈夫になっています。しかし、パソコンの薄型・軽量化によって基盤が薄くなっているため、反りが発生しやくなっています。そのためBGAの接合不良は一昔前とさほど変わっていない状況です。
弊社ではBGAの交換装置を2台持っており、鉛フリー・共晶ともに対応しています。
ただしBGAの状況により、対応が難しい場合もあります。
メモリの接触不良について
BGAの不具合以外には、メモリソケットとメモリ間での接触不良があります。
これはメモリをクリーニングすることによって解決できる場合が多いので、故障の際はお試しください。
具体的に何をするのかといいますと、金タブの部分を消しゴムで擦ります。消しゴムは必ず、消しカスがまとまるタイプを使用してください。そして柔らかい布で拭いて、消しカスをきれいに取り除いてください。メモリを装着する時は、一回メモリを抜き挿ししてからしっかりと挿し込んでください。
上がクリーニング前、下がクリーニング後の写真です。金タブのクスミの違いが、お分かりいただけると思います。
これによって、接触不良が出にくくなる場合がよくあります。
ただし、メモリソケットのピンの変形したものや腐食したものに関しては、部品交換が必要になってきます。
最後に・・・
ノートパソコンについては、パソコンに負荷をかけないよう片手で持ったりせずに、両手でしっかりも運びましょう。
パソコンは精密機器と再認識していただけるだけで、故障が減るのではないかと思います。
修理のノウハウを惜しみなくお伝えする本企画『明日から修理屋さん』いかがでしたでしょうか。
次回は入門編⑩『パソコンの外装・筺体編』をお伝えいたします。お楽しみに!!