特殊工具、今回は六角レンチ編です。
六角レンチは、頭の部分が+や-ではなく六角形の穴が開いたボルト(六角穴付きボルト、あるいはキャップボルトといいます)を回す工具のことで、多くがL字型のドライバーのような形をしています。呼び名は「六角レンチ」「ヘックスレンチ」「ヘキサゴンレンチ」「アーレンキー」と実にさまざまです。
強くしめつけすぎてねじ穴、ねじ山や工具の角が磨耗してしまい、うまく回らないことを「なめる」と呼ぶのですが、六角レンチはドライバーよりもなめにくく回しやすいので重宝します。一方、サイズも規格もたくさんの種類があり、メーカーも多数あるので、どれを選んでいいのか迷うこともあると思います。
そこで、六角レンチの選び方についてポイントをご紹介致します。
六角レンチの選び方のポイント
六角レンチにもいろいろな種類があって、目的に応じて使い分ける必要があります。ここでは、形やサイズ・機能など選ぶ上でのポイントをご説明します。
サイズがたくさんそろっているものを選ぶ
ドライバーはNo.1~No.3までの3種類のサイズがありますが、六角レンチは六角穴付きボルトの穴のサイズに合わせてたくさんの種類があって、当然ながら違うサイズのレンチでは回すことができません。3mm・4mm・5mm・6mmの4種類があればおおむね間に合いますが、あまり高いものではないので、単品ではなく、よく使うサイズがセットになったセット品の購入をおすすめします。
セット品はレンチがバラバラにならないようにホルダーがついているので、収納時にとても便利です。サイズも一目でわかります。
ミリサイズ規格を選ぶ
日本のネジはミリ規格で作られていますが、アメリカではインチ規格で作られています。そのせいか、六角レンチもミリサイズとインチサイズが存在します。
ミリサイズの六角穴にはインチサイズの六角レンチが(あるいは逆にインチサイズの穴にミリサイズの六角レンチが)普通に入るので回せそうなのですが、絶対になめます。
日本ではインチサイズの六角レンチを使う機会はほとんどなく、ミリサイズだけそろえておけば問題はありません。しかし、通販サイトではインチサイズも販売されていますので、間違ってインチサイズの六角レンチを購入しないように注意が必要です。
先端が丸くなっているほうが便利
六角レンチには、先端が丸くなっているものがあります。これはボールポイントといわれるもので、角度20度くらいなら六角穴に斜めに差し込んでも回せるように作られています。狭い場所ではまっすぐに入れられない場合もあるので、このボールポイントがあるととても便利です。
アイテスの修理技術者もこのボールポイントを愛用しています。
先端が丸くなっている分、六角穴に入れる時に少し硬くて入れにくいので、穴の底までしっかり差し込むのがポイントです。中途半端に差し込んだ状態で回すとなめるので注意が必要です。
壊れやすいので注意が必要
六角レンチは長さがあるので、ドライバーよりもはるかに大きな力がかけられます。したがって、ネジを締めるときについ力を入れて締めてしまいがちです。
ところが、緩める時にはこれがあだとなり、きつく締まっているためにびくともせずついつい力を入れすぎてしまって、レンチの方がねじ切れたり折れたりしてしまいます。
それ故、消耗品と割り切って安い工具をたくさん用意しておくか、多少高くても壊れにくい信頼性の高いものを使うか、いろいろ考え方もあると思います。大いに悩むところですね。
まとめ
・サイズがたくさんそろっているものを選ぶ
・ミリサイズ規格のものを選ぶ
・先端が丸くなっているほうが便利
・六角レンチは壊れやすいので注意が必要
ご愛読ありがとうございました。