EPMAには7つの分光結晶があり、目的とする元素の波長に合わせて分光器を選択することで、エネルギー分解能や検出感度が良く、微量成分の定量分析やマップ分析等で優れた結果を得ることができます。
波長分散型X線分光器(WDS)
測定原理
WDSは試料より発生した特性X線の波長を検出する方法です。ブラッグの回折条件を利用した分光器で分光結晶と検出器で構成されています。
試料面と分光結晶ならびに検出器がローランド円と呼ばれる一つの円周上に位置しています。
7つの分光結晶
通常面間隔(2d)の異なる分光結晶があり、目的とする元素の波長に対応した分光結晶を選択します。
分光結晶の分光範囲
超軽元素用分光結晶
測定例 22Ti
22Tiは上図より、PET、LIF、LIFH(高感度LIF)の分光結晶で検出されます。
X線強度・波長分解能・P/B比のうち、どの要素が測定で重要視されるかにより分光結晶を選択します。X線強度ではPETが優れ、波長分解能ではLIF、LIFHが優れます。
- LIFに比べX線強度が強く検出感度に優れている。
- PETに比べピーク幅が細く分解能が優れている。