ICチップの電流リーク、ショートや高抵抗などの不良箇所を、チップの裏面からサブミクロンの位置精度で特定する受託分析です。
ICチップ裏面からの解析
EMS解析ではSi基板を透過する近赤外光をチップ裏面から検出し、IR-OBIRCH解析では近赤外レーザ光をSi基板から透過させます。これにより、多層配線ICやパワー素子など上層配線が障害となりチップ表面から解析が困難な場合に、裏面から不良箇所を特定できます。
チップ表面をパッケージされたままで不良箇所を特定
ICパッケージ裏面を機械研磨して解析するため、チップ表面はパッケージされたままの非破壊の状態で解析可能です。これにより、チップの実装工程に起因した不良の解析に有効です。
EMS(エミッション顕微鏡)による発光解析
電流リーク不良は、ホットエレクトロンの発生や少数キャリアの再結合により、極微弱な発光を伴います。EMSでは、可視光から近赤外光までの有効感度を持つ超高感度冷却CCDカメラでこれらの微弱発光を検出し、サブミクロンの位置精度で不良箇所を特定できます。
このCCDカメラではSi基板を透過する近赤外光を検出できるため、不良に伴う発光をチップ裏面から検出することが可能です。
最大で2kVの高電圧を印加可能です。
解析事例(裏面EMS解析、IC )
電気特性(リーク確認)
裏面研磨
エミッション顕微鏡による発光箇所拡大特定
IR-OBIRCH 解析 / SEI 解析
定電圧を印加した配線に近赤外レーザを照射して部分的に加熱すると、温度変化により配線抵抗が変化し流れる電流が変化します。 またゼーベック効果によって熱起電力電流が流れます。IR-OBIRCH解析/SEI解析では、これらの電流変化を高感度アンプで検出し、配線間のショートや高抵抗などの不良箇所を特定します。
近赤外レーザはSi基板を透過するため、チップ裏面からの解析が可能です。
解析事例(裏面IR-OBIRCH解析、パワーMOSFET)
試料 : パワーMOSFET(パワーデバイス、IGBT、DI(ダイオード))
過電圧破壊によるゲート電極-ソース電極間ショート不良