酸化物系全固体電池の故障解析事例

全固体電池は高い安全性を持ち、様々な環境下で使用できることから、次世代電池として期待されています。アイテスでは信頼性試験によって破壊した酸化物系全固体電池に対して、故障箇所特定~断面観察までの一連の解析を実施いたしました。

発熱解析による故障箇所の特定

サンプル情報:充放電試験による劣化が発生した酸化物系全固体電池
特性:

解析結果:側面で発熱が強い傾向が認められました。

X線透過観察による観察

X線透過観察では、②面で発熱が認められた境界付近に白い線状のコントラスト異常が見られました。

⇒白線部で何らかの異常が発生している可能性が疑われます。

SEM観察によるCP断面観察、元素分析

発熱解析, X線透過観察で異常が見えていた箇所に対して、CP断面SEM観察を実施すると、層剥離が認められました。

剥離は主に集電体と正(負)極相間で発生していますが、一部電解質層でも剥離が認められます。EDX分析で、異常元素は検出されていませんでした。

⇒信頼性試験によって正(負)極層が膨張, 収縮を繰り返す事で集電体や電解質層間に剥離が発生したと推測されます。

信頼性試験~断面観察、分析まで一貫した解析が可能です。

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