スイッチ接点不良の解析事例

身の回りにある様々な電気機器には、多種多様な電子部品が使われています。その内の1つが故障するだけでも正常に動作しなくなる場合があります。今回は電源が入らなくなった家電のスイッチ部にて故障が推測されたことから、解析事例を作業フローと共に紹介します。

外観確認(非破壊観察の基本その1)

最初に外観の観察にて、膨れや亀裂、変色などの形状変化がないか確認します。外観確認では、不具合の原因を考察する上で重要な情報が得られる事もあります。

スイッチ外観
ケース外観

スイッチの外観に異常形状は見られませんでしたが、スイッチが取り付けられていたケースに白色の変色が確認されました。熱の影響による変色?
なお、外観の確認は主に目視、実体顕微鏡などで行います。

電気的な確認(非破壊観察の基本その2)

電気的な確認では不具合が再現されるか確認したりオープンなのかショートなのか等を確認します。

ON操作で回路が閉じショート状態になるのが正常であるが、事例ではONでも抵抗値が高くオープン状態であった。電気的にもスイッチ回路に不具合が発生している状態が確認されました。

微小リークや半導体などの電気測定には半導体パラメータアナライザーなども用います。またリーク箇所を特定するために発熱解析を行うこともあります。

X線での内部観察(非破壊観察の基本その3)

非破壊で内部の状態が確認出来るX線観察は不具合調査に多く用いられる手法の一つです。

X線観察によりスイッチ内部の接点端子が溶融、飛散し消失した事によるオープン不良と判明。なお外観観察で確認されたケースの白色変色は溶融時に発生したガスの噴出痕と推察。恐らく長期使用により接点が摩耗し高抵抗化、ON/OFF時の突入電流やアーク熱が局所的に集中したことで発熱・溶融した接点不具合と推測されます。

結果報告

観察結果はメールで速報させて頂きます。最終的には原因考察も含め報告書として提出させていただきます。
また非破壊検査後の解析相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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株式会社アイテス 品質技術部
TEL:077-599-5020