はんだ耐久性試験後の基板において、はんだ接合部にクラックが発生した場合、クラックが許容基準内であるかを確認するためクラック率を算出します。
はんだ耐久性試験後の評価標準は、製品環境仕様に応じて評価項目や判定基準などを個別に定めることができるため、お客様ごとに規格をお持ちの場合がほとんどです。
測定方法も部品の形状にあわせて様々ですが、ご依頼いただいた際は、お客様のご要望に合わせた仕様で実施させて頂きます。
BGAのはんだ接合部 – ボールジョイントのクラック率算出例
測定仕様
クラック率(%)=クラック長(c+d+e)/接続長(a+b)× 100
*クラックと接するボイドはクラック長に含む
接続長
644.42 μm
クラック長
332.08 μm
クラック率
51.5 %
判定例 : ロケット部品の標準としてBGACGA実装工程標準 JAXA-JERG-0-054があります。厳しい基準ですがそれに準拠すると、『 (クラックが発見された場合は) その断面部位における導体部分の幅 (又は径) の累積25%を超える場合は不良』とされますので、この例では不良の判定となります。
チップ抵抗器のはんだ接合部 - 正方形・長方形の両端子のクラック率算出例
測定仕様 1
測定仕様
(接続部の合計を接続長とする場合)
クラック率(%)=クラック長(c+d)/接続長(a+b)× 100
*クラックと接するボイドはクラック長に含む
測定仕様 2
測定仕様
(クラック想定線を接続長とする場合)
クラック率(%)=クラック長(b+c)/クラック想定線(a)×100
*クラックと接するボイドはクラック長に含む
*測定仕様 2で算出
クラック想定線
582.17 μm
クラック長
424.94 μm
クラック率
73.0 %
コイル部品のはんだ接合部 - リボンリードやQFPリードのクラック率算出例
測定仕様
(フィレット最大高さのリード幅を接続長として測定する場合)
クラック率(%)=クラック長(b+c)/接続長(a)× 100
*クラックと接するボイドはクラック長に含む
*上記測定仕様2での測定方法もあり
接続長
2076.9 μm
クラック長
836.28 μm
クラック率
40.3 %