材料と熱の関係 – 熱分析の紹介
材料に熱を掛けると様々な特性が変化します。このような特性の調査には熱分析が適しています。
観測したい特性の変化に応じて装置を使い分け、必要に応じ組み合わせて行います。
熱分析の種類と知る事のできる特性
熱分析の定義:測定対象の温度をプログラム制御させた時に生じる様々な物理的変化を観測する分析手法
DSC
(示差走査熱量計)
TG-DTA
(熱重量示唆熱分析装置)
TMA
(熱機械...
形状記憶合金の変態温度測定
物質が温度変化にともない相変態を起こすとき、熱エネルギー変化が起こります。
この熱エネルギー変化はDSCを用いると捉える事が出来ます。
形状記憶合金は変形させても固有の温度以上にすると元の形状に戻るという特性を持つ合金であり、形状記憶性の発現は、相変態(マルテンサイト変態)によるものです。
変態時の熱エネルギー変化をDSCにて捉える事で、3種類の形状記憶合金製品の変態温度を測定し...
ポリウレタンゴムの動的粘弾性測定
DMAは高分子材料に周期的な振動荷重を与え、生じる応力と位相差から、弾性や粘性を温度の関数として測定する分析です。荷重の与え方としては、引張、圧縮、両持ち梁曲げ、自由支持3点曲げ、せん断(ずり)があり、材料の形状、用途に応じて適切なものを選択し、測定を行います。今回は円柱状のポリウレタンゴムの圧縮モードでの測定事例を紹介します。
DMA測定概要
図1のように、試料を設置し、周期的な振動荷重を与...
DSC(示差走査熱量分析)
DSC(示差走査熱量分析)は試料の温度変化によって発生した基準物質との温度差から、
熱量差を求め、試料の吸熱/発熱の度合いを観察する分析手法です。
TMA(熱機械測定)のご紹介(半導体封止材)
熱機械測定(TMA)は、試料に一定の荷重をかけた状態で試料温度を変化させ、試料の寸法変化を測定する手法です。
材料の熱膨張、熱収縮、ガラス転移温度、などの情報が得られます。
TG-DTA(熱重量示差熱分析)
熱重量示差熱分析は試料の温度を一定のプログラムによって変化させながら、試料の重量測定
(TG)と試料と基準物質の温度差の測定(示差熱測定)(DTA)を温度の関数として同時に
行う分析です。
DMA(動的粘弾性測定)
DMA(動的機械測定)は高分子材料に周期的な振動荷重を与え、生じる応力と位相差から、弾性や粘性を
温度の関数として測定する分析です。ガラス転移、緩和など高分子の分子運動や分子構造に関わる情報を
得ることができます。