FT-IRによる樹脂硬化度の測定

FT-IRスペクトルは有機材料の結合状態を敏感に反映するため、接着剤の硬化反応の進行(硬化度)をモニターすることが可能です。

樹脂の硬化度測定

硬化度測定の手順

  1. 未反応材料と100%反応後の材料のスペクトルを比較して、最も変化する領域を確認します。
  2. 未反応材料の硬化度を0%、反応後材料の硬化度を100%とします。
  3. 測定試料スペクトルのピーク強度を内挿し、反応率(硬化度)を求めます。
硬化度

応用例(紫外線硬化樹脂の硬化度測定)

(a) 全領域FT-IRスペクトル

(a) 全領域FT-IRスペクトル

(a)全領域FT-IRスペクトルにて 未反応品、100%反応品と未知試料のピークを比較し、最も顕著な違いが見られるのは、780~850 cm-1であることがわかる。

(b) 部分拡大FT-IRスペクトル

(b) 部分拡大スペクトルのピーク強度より硬化度を求めると、およそ84%となり、硬化が充分ではないことが判る。ピーク位置よりアクリル基の残存が認められる。

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