SEG-LCDパネル表示不良解析

液晶パネルに表示不良が発生した場合、再発防止のためその原因を解明する必要があります。本資料では温度負荷によって表示ムラが発生したパネルAと表示不良が確認されていないパネルBについて、化学分析により比較解析した事例をご紹介します。

信頼性試験(80℃/ドライ条件/1000時間)

80℃/ドライ条件にて表示不良が再現されるか試験を行いました。

パネルA

表示ムラが発生し、試験時間の経過と共に不良範囲が広がっていきました。

パネルB

表示不良は発生しませんでした。

液晶 GC-MS分析

GC-MS分析にて液晶成分の構成、および液晶中の不純物の確認を行いました。

パネルA
パネルB

液晶内金属元素 ICP-AES分析

液晶ICP-AES分析にて液晶中に金属元素が混入していないか確認を行いました。

Na
Mg
Al
Si

Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Si(ケイ素)、Ca(カルシウム)といった金属元素を両パネルから検出⇒金属イオンとして液晶中に存在していると考えられる。

まとめ

パネルA

パネルAはイオン性汚染物質の影響を受けやすいシアノ系液晶組成であり、金属元素が液晶中に存在した場合、液晶の駆動に影響を及ぼす事が考えられます。

シアノ系液晶組成
パネルB

パネルBはイオン性汚染の影響を受けにくい液晶組成であり、金属元素が液晶内に存在していても液晶の駆動にはほとんど影響がないものと考えられます。

観察などの初期解析にて原因が見当たらない場合、液晶内部の化学分析から原因を探る事が可能です。
ここで挙げた手法以外にも試料や目的に応じた分析法をご提案させていただきます。

お問い合わせはこちらから
株式会社アイテス 品質技術部
TEL:077-599-5020