ブルーライトカットフィルムは、通常のPETフィルムに比べ、可視光、特に波長500nm以下の光の透過を抑える効果を有しております。UV照射によって、ブルーライトカットフィルムの光透過性がどのように変化するか、分光光度計を用いて検証しました。
通常PETフィルムとブルーライトカットフィルムの光透過特性
市販のブルーライトカットフィルムの光透過性を分光光度計を用いて測定し、通常のPETフィルムと比較しました。
ブルーライトカットフィルムは、わずかに着色しています。また、可視光領域において、通常のフィルムよりも光を吸収する傾向にあり、全体的に光の透過率が低くなっています。特に波長500nm以下の可視光の透過性が、通常のフィルムよりも低くなっており、低波長光の遮断に有効にはたらいていることが示されました。


ブルーライトカットフィルムへのUV照射
ブルーライトカットフィルムにUVランプを照射し、その影響について検証しました。UV照射により、ブルーライトカットフィルムの着色がわずかに濃くなっています。また、450nm以下の波長の光の透過率が低下しています。ブルーライトフィルムに含まれる成分に何らかの変化が起こっていることを示唆しております。


フィルム内成分のGC-MS分析
フィルムの熱脱着GCMS分析を行うと、紫外線吸収成分として添加されている1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが分解し、ベンズアルデヒドやメチルフェニルケトンが生成していることが示されました。


分析装置を組み合わせて使用することにより、現象の数値化だけでなく原因分析も可能になります。