ノートPC・デスクトップPC共に、「電源が入らない」という不具合で、たくさんの修理依頼をいただきます。
お客様にとっては「電源が入らない」というたった一言の不具合なのですが、不具合の出る箇所は色々あります。「電源が入らない」という症状に対しての診断例を、簡単に説明いたします。
インジケーターの表示を確認する
まず「電源が入らない」状況をチェックします。
正常な状態のインジケーター(ノートPC)
電源ケーブルを接続したのみの状態でインジケーターを確認します(この機種は正常に通電ができている時、2箇所のランプが点灯しています)。この時にランプが点灯していれば、電気の供給が本体に行われていると判断します。
また、ランプが点灯しなければ、電気の供給が本体に正常に行われずに、電源ケーブルの差込口までで止まっているということです。この場合、不具合の原因は電源ケーブルもしくはノートパソコンならDCジャック、デスクトップなら電源ユニットが悪い可能性があります。
電源ボタンを押してみる
インジケーターが点灯した場合、次に電源ボタンを押してみます。耳をすませると、FANが一瞬だけ回転している音がします。この場合、FANまでは通電しており、システムボード不良の可能性が高くなります。
FANも無反応の場合、ノートパソコンの場合はバッテリーを外してみます。そしてバッテリーを外したままで電源ケーブルを挿して、再度電源ボタンを押してみます。これで電源が入った場合はバッテリーの不良です。電源ケーブル→バッテリー→本体と電気が流れているので、バッテリーが悪いと本体まで電気が届きません。バッテリーを外しても電源が入らない場合は、やはりシステムボードが悪い可能性が高くなります。
ノートPC内部
実は電源に問題はなし!?
色々と書きましたが、「電源が入らない」不具合でPCを送っていただいても、弊社ではすんなりと電源が入ることもしばしばあります。理由の一つとして推測されるのが、長時間PCを使用していると、システムボードに必要以上に帯電してしまうことがあり、動作不安定や電源が入らない症状を引き起こしてしまう場合です。PCに不具合が出て弊社に送っていただくまでに、放電して不具合が解消されてしまいます。
電源が入らなくなった場合、一度次のことをお試し下さい。
2.バッテリーを取り外す(ノートPC)
3.放置(90秒程度)
4.取り外した全てのケーブルやバッテリーを戻す
5.再び電源を入れる
これで不具合が解消される場合があります。
こちらのノートPCは手前にバッテリーがあるタイプ。ツメを二箇所スライドさせて外します。
また「電源が入らない」というお客様からのご申告でテストをしましたが、電源は問題なく入ります。チェックを続けると、パソコンの「画面が表示されない」という不具合が出てきました。でも、これは「電源は入るが、画面は表示されない」という状態です。おそらく画面が表示されないので「電源が入らない」と思われたと想像しますが、お客様の手元では電源が入っていなかった可能性があるため、「電源が入らない」状態が再現するかを念入りに確認しました。このようなケースもありました。
まとめ
もし「電源が入らなくなった」と思ったら、一度以下の項目を試してみてください。
- 放電させる。
- 1.電源コードや外部接続のケーブル類を全て取り外す
- 2.バッテリーを取り外す
- 3.放置(90秒程度)
- 4.取り外した全てのケーブルやバッテリーを戻す
- 5.再び電源を入れる
- 他のモニターに繋いでみてください(本体は電源が入っているが、画面だけが映っていない可能性も)。ノートPCなら外部接続で、他のモニターに繋げます。デスクトップPCなら、ケーブル類がきちんと差し込まれているか確認するのも有効です。
他にもメモリー外れ、電源スイッチの内部破損等、「電源が入らない」不具合はあげるときりがありません。今回ご紹介した内容も、「電源が入らない」症状の全てを網羅しているわけではございませんので、参考程度にご覧いただけたらと思います。