軽量かつ高剛性、高強度なCFRP(炭素繊維強化プラスチック)はスポーツ用品、航空機、自動車部品等に使用されています。DMAによる動的粘弾性測定を行う場合、CFRPは一般に高弾性であり、その使用用途から曲げモードによる測定が適していると考えられます。
曲げモードによるCFRPの動的粘弾性測定を紹介します。
曲げモードによるCFRPの動的粘弾性測定
エポキシ樹脂をマトリクスとした平織りのカーボンファイバーからなるCFRPについて、両持ち曲げモードにてDMA測定を行いました。


160℃付近でE‘が低下し、E“が上昇する様子が観測され、ガラス転移温度を示すtanδピークトップが156℃に観測されました。
各測定モードと適した材料及びサイズ
DMAの変形モードは以下の通りです。サイズを満たせばどのようなモードでの測定も可能ですが、材料の形状や弾性率、測定の目的に応じて最適な条件を選択することが理想的です。

変形
モード
引張
圧縮
曲げ
ずり
両持ち
片持ち
3点
適用材料
(目安)
フィルム
樹脂板
繊維、ゴム
ゴム
(軟質)
フォーム
複合材料、
樹脂板
(低剛性)
複合材料、
樹脂板
(高剛性)
複合材料、
樹脂板
(高剛性)
ゴム、樹脂
測定可
能形状
長さ:
25~55mm
厚さ:
3~0.001mm
最大幅:
10mm
最大高さ:
15mm
最大断面:
φ15mm
長さ:50±2mm
最大厚さ:5mm
最大幅:16mm
長さ:
55,50,45mm
最大厚さ:
5mm
最大幅:
16mm
断面形状:
10x10mm
最大厚さ:
6mm
DMAによる動的粘弾性測定は測定対象や目的に応じて最適な変形モードを選択する必要があります。材料の種類、形状、使用目的から最適な変形モードを提案いたします。
動的粘弾性を測定したい対象がございましたら、ご相談ください。