液晶ディスプレイ材料分析

液晶ディスプレイは、液晶の他、シール材や封止材、偏光板など、様々な有機材料が使用されています。
それぞれの部材の材料特性や材料劣化メカニズムを化学的な視点から考察する事は、製品評価や製品不良解析において重要となります。
ここでは部材毎の化学分析例をご紹介します。

液晶ディスプレイ

シール材

FT-IR:主成分分析

FT-IR:主成分分析
FT-IR:主成分分析

EDX:元素分析

主成分ポリマーにはビスフェノールA型エポキシ樹脂が使用されており、無機フィラーとしてシリカ(SiO2)が含まれている事が確認されました。

液晶

GCMS:液晶成分分析

GCMS:液晶成分分析

ICP-AES:液晶中の金属元素分析

シアノ基を有する液晶成分が使用されており、また液晶中から金属元素が検出されました。
シアノ基の分極は金属と親和し液晶駆動に影響する場合があります。

偏光板

HS-GCMS:アウトガス分析(劣化解析)

HS-GCMS:アウトガス分析(劣化解析)
HS-GCMS:アウトガス分析(劣化解析)

恒温恒湿試験を行ったサンプルでは偏光板の劣化による酢酸セルロースの加水分解が確認されました。偏光板の加水分解はパネル表示不良の原因の一つとなります。

封止材

熱脱着GCMS:添加剤分析

熱脱着GCMS:添加剤分析

添加剤として酸化防止剤や光反応開始剤が検出されました。

EGA-MS:熱分解温度の変化(劣化解析)

恒温恒湿試験後では主成分ポリマーの熱分解温度が低温側にシフトしており、劣化が進行している事が示唆されました。

材料と目的に応じた分析手法を提案させて頂きますのでお気軽にお問い合わせください。

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株式会社アイテス 品質技術部
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