オーバーホールとその目的とは
「オーバーホール」と検索すると、劣化部品の交換や調整を主目的とする作業と謳われています。パソコンも使用するうちに劣化が進み、後に様々な不具合症状が出始めます。アイテスでは通常の故障修理サービスと並行してオーバーホール対応も承っています。
そもそもパソコンをオーバーホールする最大の目的は、消耗部品の劣化、故障を未然に防止し長く使えるようにするという延命措置対策です。
但し現在正常に動作しているものに手を加えることにリスクが伴ったり、劣化部品の調達、交換が難しいことなど決して容易な作業ではありませんが、可能な限り、信頼性を向上させる方法を検討し、日々対応をしています。
では実際どういったオーバーホールをしているのかいくつか例を挙げてご紹介致します。
パソコンのオーバーホールの作業例
電解コンデンサの予防交換
最近こんな症状出ていませんか?
動作が遅い、よくフリーズする、電源が落ちる など、、、
このような場合、電解コンデンサの寿命が近づいている可能性があります。パソコンが異常を訴える前に電解コンデンサの予防交換を実施し、未然に動作故障を防ぎます。
冷却ファンの予防交換
パソコンにとって最大の敵は熱。そんな熱を逃がし内部の冷却効果を保つ役割を担う冷却ファンも消耗部品な上、使用環境によっても寿命の差が生じる結構重要な部材の一つです。
最近こんな症状出ていませんか?
電源が頻繁に落ちる、
本体がやたらと熱い、
ファンから変な音がする など、、、
このような場合は、ファンの異常も
考えられます。
ファンについては同じものを選定するのは容易ではなく、代替品を選定する場合もありますが、選定を誤るとエラーを発したり動作しない場合もありますので、仕様調査 (サイズや定格面)にて同等品の選定、交換
を行います。
しかしながらファンは様々な種類が存在します。
ワイヤーの数が3本(Tachometer:タコメーター)や4本(Tachometer + PWM)の場合は、回転数の制御を行っているため特に仕様面を合わせることは重要ですが、選定、調達が非常に難しい場合が多く、予防交換ができない場合もあります。
CPUグリスの再塗布
CPUは最も高温になる部品です。よってCPUの放熱効果を維持させることは非常に重要です。
CPUの上には通常、放熱、吸熱の目的で伝熱特性に優れた材質でできているヒートシンクと呼ばれる金属部品が取り付けられています。
通常はこのヒートシンクとCPUとの間にグリス(熱伝導を良くするため)が塗布されています。
ただこのグリスも材質によっては長時間の稼働により、固着化して放熱効果が低下していきます。
そんな場合は固着したグリスを一度除去しあらたにグリスを塗りなおすことによりCPUの放熱効果を改善することが可能です。
実際CPUグリスの塗りなおしによって、CPUの温度を調べるとグリス塗布前後でかなりの温度差が生じることはよくあります。
(Biosメニューの中でハードウェアモニターの項目がある場合はCPUの温度が表示されますのでその差がよくわかります)
今回は電解コンデンサとファン、CPUグリスといった、熱対策に関係する部材のオーバーホールについてご紹介しました。
次回はHDDや光学ドライブなどのオーバーホール対応についてご紹介する予定です。