液晶パネルに実装されたICチップの回路面を観察するには薬液や加熱によりチップを取り外す方法がありますが、これらの場合チップへのダメージが懸念されます。
そこで、実装部品の物理解析として行っている精密平面研磨を応用してガラス基板配線や導電粒子を削り取り、ダメージの少ない状態でICチップ回路を観察した事例を紹介いたします。
液晶パネルのICチップ
観察対象は液晶パネルにCOG実装方式で接続されたICチップです。(図1)
ICチップとガラス基板はACFで接着されており、ICチップは取り外せない構造になっています。(図2)
ガラス基板越しにICチップ回路面の観察を試みましたが、ガラス基板配線や導電粒子に阻まれ、ICチップ回路面を確認することができませんでした。(図3)
平面研磨と光学観察
ガラス基板側から慎重に平面研磨を行い、ICチップの数μm手前までの部材を削り落とし、回路面の観察を行いました。(図4)
ICチップ回路面は明瞭に確認でき、高倍率の詳細観察も可能になりました。(図5)
この事例のように平面研磨で詳細観察が可能になったサンプルや、FIB加工やCP加工が可能になったサンプルが多数あります。お困りのサンプルがありましたら、弊社にご相談ください。平面研磨のみのご依頼、観察や分析をセットにしたご依頼、いずれも承っております。