冷却 (クライオ)イオンミリング断面加工例 (ゴム製品)

ゴムは柔らかく、弾力があり、断面加工が難しい材料の1つです。ゴムの種類も様々あり、天然ゴム、合成ゴム、シリコンゴム、ニトリルゴム、等々、20種類近くあるようです。身近な用途としては、Oリング、タイヤ、防振マット、輪ゴム、など様々なところで利用されています。
今回、本物の車のタイヤは無理なので、おもちゃの車のタイヤを使い断面加工方法について検討を行いました。

ゴム製品の断面作製

分析例 プルバックカーのタイヤ

おもちゃのタイヤとして使われている部品で、プラスチック基材のホイールにゴムのタイヤが接着されています。この接着部について手法別に断面を作製し観察してみました。

断面作製手法の比較

3つの手法により作製した断面のSEM観察を実施するとゴム内部に存在しているフィラーが確認されました。液体窒素による割断や機械研磨では大小のフィラーの分散状態や接着界面の様子が明瞭でないことがわかりました。

① 液体窒素割断(-196℃)

② 機械研磨

③ クライオCP(-150℃)

液体窒素
クライオCP

作製時間が短い

加工領域が広い
位置精度が高い

低融点材料の加工
機械的ダメージを作り込まない
平坦な断面

×

破面に凹凸がある

機械的ダメージ

加工範囲が狭い
加工時間が長い

ゴム製品において液体窒素による割断や機械研磨により作製された断面は凹凸や機械的ダメージの影響が大きい。冷却 (クライオ)イオンミリングによって作製された断面ではゴム内に含まれるフィラーの分散状態やプラスチック基材との接着界面の様子を明瞭に観察することができます。

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