GaN HEMT(化合物半導体)にて、電気的な不良箇所を特定後、断面TEMによる結晶解析を行い、リークの原因となる転位の種類を同定し結晶成長の不良を可視化する受託分析です。
不良箇所の特定
- Drain-Gate間裏面発光解析を実施し、リークを示す発光を多数検出した。
- リーク箇所における断面TEM観察の結果、多数の転位線が見られ、発光箇所の活性層にリークの原因となる転位を捕らえた。
2波励起による不良箇所の転位の同定
- z=[0110]方向からの観察で g=0002 ・ g=2110のgベクトルを用いた2波励起によるTEM観察を行った。発光箇所の活性層にある転位、黄丸部はg=2110ベクトルのみに確認できることから、刃状転位であると考えられる。また、 g=0002のみで確認できるものは螺旋転位と同定でき、何れのgベクトルで確認できるものは混合転位と判断できる。
- このようにリーク箇所を特定し、その箇所をピンポイントで観察することにより、更に明確な不良原因の特定が行えます。