SiCは従来のSi半導体と比べ、エネルギーロスの少ないパワーデバイスであり注目を集めていますが、
Si半導体とは物性が異なるため、故障解析も新たな手法が必要となります。
SI-CCDカメラ (Silicon Intensified CCD camera)
・浜松ホトニクス社製SI-CCDカメラ(Si intensified CCD Camera)はノイズを低減しつつ、かつ信号
増幅機能により、有効な信号を顕著化することで超高感度で可視光領域の発光を検出できます。
・通常のCooled-CCDと比較して積算時間が10分の1で済み、拡大観察時の感度・位置精度が飛躍的に
向上します。
・発光検出領域(400 nm ~ 1100 nm)のSI-CCDは、ホットエレクトロン発光領域が可視光領域である
ワイドバンドギャップ半導体(SiC,GaNなど)の故障箇所特定に非常に有効です。
SiC MOSFET 裏面発光解析事例
・Cree社製SiC MOSFET
Spec: VDSS=1200V, VGS=25V
・G端子にESDパルスを印加し、G-(D,S)間リークを作製し、
リーク箇所の特定を行った。
・試験条件 ESD(Machine Model)
G(500V印加)-D・S(Common)間
約36uA/1.0Vで多数の発光を検出した。
パターン像+発光像 x0.8
パターン像+発光像 x100
・検出した発光箇所をピンポイントでTEM観察した。SiO2膜の破壊、SiC結晶にダメージが認められた。
ESD破壊箇所の断面TEM像