プラスチックの押出/射出成形加工は、その原料の耐熱温度(融点 Tm)に応じて条件設定されるが原料の劣化変質により、決められた設定温度で成形加工が困難となるケースもあります。プラスチック原料のペレットや粉末のメルトフローレイト(MFR)を確認することで、従来品と変化がないかを把握することができます。
メルトフローレイト(MFR) (メルトインデックス(MFI/MI))測定について
JIS規格、または樹脂に適した温度で溶融させ荷重をかけ、10分間に(換算して)流れ出てきたプラスチック(樹脂)の重量を測定します。材料、および組成により温度、荷重の条件出しが必要な場合があります。
評価事例
未処理(負荷なし)、温湿度負荷(恒温恒湿試験)、および紫外線照射したPP(ポリプロピレン)を射出温度230℃、荷重5kgで評価。
<サンプル外観写真>
未処理PP
8585PP
UV-PP
- PP:ポリプロピレン
- 8585:85℃ 85% ⅹ 336時間
- UV:紫外線照射 253.7nm x 336時間
- 射出時間:10分(3分から換算)
- 未処理(負荷なし)サンプルと8585サンプルに差異は見受けられません。
- 紫外線照射サンプルは、分子構造の変化が流動性に影響を与えている可能性があります。
- 外観の変色だけでは、成形加工プロセスへの影響を把握できないため、MFR評価の情報は有益です。
装置仕様、および関連分析評価サービス内容
温度範囲
100~350℃(精度±0.2℃)
サンプル形態、必要量
粉末 ペレットなどの固体 15~20 g 程度
対象プラスチック
熱可塑性樹脂
対象製品
半導体パッケージ、LCD構成素材、LED構成素材、電子部品、フィルム、自動車プラスチック部品 など
<その他関連評価分析>
- IR/ラマン分析 → 材料組成構造分析
- 色差計 → 黄変評価
- 熱分解GC-MS → 分子構造分析
- GPC → 分子量分布
- 信頼性試験 → 温度 湿度の影響 など
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