SEMの観察条件による見え方の違い

SEM観察は試料表面に照射した電子が試料の極表層で散乱することで発生する二次電子や反射電子を検出器で捉え、像としてモニターに映し出しています。電子を捉える検出器には種類があり、それぞれの特徴を生かした像が得られます。また加速電圧を変えることで見え方も変わります。今回、各種条件下で撮影したSEM像を紹介します。

反射電子像

観察装置:ZEISS製 Ultra55

高加速電圧による反射電子像(AsB検出器)

結晶方位の違いが反射電子の放出に影響し、電子チャンネリングコントラストが現れる。
結晶粒の観察に使用することがある。(例:銅)

AsB検出器

AsB検出器

OutLens検出器

OutLens検出器(二次電子像)

低加速電圧による反射電子像(EsB検出器)

Grid電圧の調整により、取り込むエネルギーを選択することで反射電子のみを選択的に検出できる。それにより組成コントラストが高い像が得られる。(例:金属部品)

InLens検出器

InLens検出器(二次電子像)

EsB検出器:Grid電圧=0V

EsB検出器:Grid電圧=0V

EsB検出器:Grid電圧=700V

EsB検出器:Grid電圧=700V

EsB検出器:Grid電圧=1400V

EsB検出器:Grid電圧=1400V

二次電子像

観察装置:ZEISS製 Ultra55

加速電圧による見え方の違い

加速電圧を上げると試料表層部で電子線の散乱領域が広がり、極表層の情報が埋もれて認識し難くなる。よって試料表面の観察には低加速電圧が適している。(例:ろ紙)

加速電圧:3.0kV

加速電圧:15.0kV

加速電圧:15.0kV

検出器の位置による見え方の違い

OutLens検出器はSEM試料室の斜め上方に位置するため、陰影のある立体的な見え方をする。そのため、表面形状の観察に適している。一方、InLens検出器はビーム経路内に設置されており、試料最表面の状態(組成、結晶方位、汚染、帯電、酸化等)に対し高感度な特性を有している。(例:上/セラミックス 下/透明電極)

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