ラミネートフィルムのフィッシュアイ分析事例

ラミネートフィルム製品の断面出しを行い、内部観察や界面に存在する微小異物の観察および、分析解析を行う事で発生プロセスや不具合発生メカニズムの解明が可能となり、良品率向上につながります。

概要

内装丸枠部の光学観察 (フィッシュアイ)

詰め替えシャンプー等の容器として用いられている多層ラミネートフィルム中に、異物のように見える部分が見られました。拡大観察すると直径数十μm程度で、フィッシュアイのように見えます。原因解明のため、断面観察を行いました。


断面作製手法は多種ありますが、広範囲の観察可能な機械研磨法を実施しました。

フィッシュアイ:フィルムの中に生じる小球状の塊の名称。未溶解樹脂により発生する事が多い

フィッシュアイの断面SEM像

断面SEM観察の結果、印刷PETフィルムの印刷面に塊状のものが挟み込まれている箇所が有り、内装側へアルミ箔の盛り上がりが確認されました。

フィッシュアイの断面SEM 拡大像

フィッシュアイの断面SEM 拡大像

断面SEM拡大観察の結果、塊状のものは印刷PETフィルムの印刷インク粒子が固まったものであることが確認されました。

まとめ

フィッシュアイはフィルム製造時の未溶融樹脂などで発生する事が多くありますが、今回の事例では印刷PETフィルムの印刷面に硬化したインクが付着した事による原因であると判明しました。

 

この様に原因を特定する事で適した対応を行え、歩留まりや品質の改善が可能となります。

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