「真剣に挑み、未来をつくる。」 Challenge earnestly. Create the future
- 変化を正面から受け止め、真剣に新しいことに取り組む
- 変化に素早く対応してこそ、持続的な成長が可能となる
- 変化を楽しみ、前へ進む
- 社内4事業が事業横断で連携し、新たな価値を創造する
2026年 年頭のご挨拶
昨年は、EV(電気自動車)市場の減速が直撃し、当社にとって試練の一年となりました。当社自身がEV市場へ直接製品やサービスを提供しているわけではありませんが、主力事業である電子部品・先端材料に対する分析・解析・評価試験サービスにおいて、主要なお客様がEV市場減速の影響を大きく受け、受注量が大幅に減少したことが大きな要因です。この傾向は一昨年下期から兆候が見られており、EV市場に依存しない顧客層の開拓に努めてまいりましたが、昨年末時点では十分に挽回するまでには至りませんでした。
一方で、残る三つの事業――太陽光発電向け検査装置関連事業、パソコン、サーバーをはじめとする電子制御機器の保守・修理事業、ウェハ販売・成膜事業――は堅調に推移しました。特に、電子制御機器の保守・修理事業では、文教分野のお客様を中心にパソコンのキッティング、保守・修理案件が大きく伸長し、大幅な増収を達成することができました。
テクノロジー進化の現在地 ― DXとGXの交差点
2026年がスタートしました。私たちの事業と密接に関係するテクノロジーの進化は、いまどこに向かっているのでしょうか。私はこれまで、現在の技術進化を DX(Digital Transformation) と GX(Green Transformation) という二つの軸で捉えてきました。高速・高密度・高分解能・高周波数といったハイパフォーマンスを実現するためのDXと、その過程で生じる地球資源の過剰消費や廃棄物の発生を抑え、持続可能な社会を実現するGX。一見すると、DXは「アクセル」、GXは「ブレーキ」のように相反する存在に見えますが、両者は互いを必要とし、補完し合いながら進化してきました。
しかし昨年の世界の動きを見ると、再選を果たした米国大統領の政策や欧州における新興政治勢力の台頭に見られる自国第一主義的な潮流、SDGsや脱炭素を「コスト」と捉える政治的空気、COP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)の成果の乏しさ、そしてEV市場の失速。一方で、生成AIの急速な進化を起点に、AGI(汎用人工知能)、さらにはASI(人工超知能)まで視野に入るAIブームが到来しています。AIはもはや特別な存在ではなく、誰もが業務の質を高め、生活を豊かにするために活用できる時代(ネットの向こう側にある巨大なスーパーコンピュータ群を安価に利用できる時代)となるなど、GXは「下火」、DXは「一大ブーム」であるかのように映ります。
ですが、この「GX<DX」に見える構図は、GXの後退を意味するものではありません。ESGやSDGsが投資テーマとして過度に理想化されたフェーズから、現実を踏まえ、長期的に実行可能な“現実解としてのGX”へと移行する過程にあると捉えるべきです。20世紀末のインターネット普及が、自動化・情報化を象徴する第三次産業革命であったとするならば、そこからわずか30年余りでAIは急速に普及し、私たちは今、第四次産業革命のまっただ中に立っています。DXは今後さらに進化し、GXは待ったなしの課題として、DXを最大限に活用しながら深化させていく段階に入ったと考えています。自動車産業を例に取れば、EV一極化ではなく、電動化、省エネ、素材革新、電力効率の最適化を含む多面的な進化を重ね、SDV(Software Defined Vehicle)として発展していく産業です。
「真剣に挑み、未来をつくる。」
私たちは今、世界的にも、そして自社の事業環境を見ても、大きな転換点に立っています。この認識のもと、2026年のテーマとして 「真剣に挑み、未来をつくる。」 を掲げました。変化を正面から受け止め、迅速かつ的確に舵を切る覚悟と、綿密な計画に基づく実行力が求められます。
本年度は、以下の施策に4事業一体となって真剣に取り組みます。
事業活動
1)受託分析・解析・評価・試験事業
- 熊本サテライトラボの事業開始(1月)
- 最新鋭TEM(透過型電子顕微鏡)の導入をはじめとする解析・評価・試験技術サービスの高度化
- EV市場に依存しない市場開拓、AI関連市場を見据えた取り組み
2)検査装置開発事業
- ペロブスカイト型太陽電池向け検査装置の市場展開拡大と、太陽光発電関連検査装置開発の高度化
- SiC欠陥解析装置1号機の完成
3)パソコン・サーバー等電子機器の保守・修理事業
- 文教分野および産業用PC分野における保守・修理事業の拡大
- 半導体テスター保守など、オンサイト保守・修理体制の強化
4)ウェハ販売・成膜加工サービス事業
- 各成膜加工委託先との連携深化
- 半導体市場を追い風とした商材拡充および販路開拓
社内活動
- DXの推進(AIを賢く活用し、業務の「質」を高める)
- SDGsの実践としての地域貢献活動の継続と発展
また、中・長期的な当社の方向性は、これまでと変わりません。
「自律分散型社会の実現、サーキュラーエコノミー(循環経済)への転換を促進する次世代エネルギー技術の進化発展に資する技術、ならびにグリーン社会の実現に向けたソリューションを提供し、社会に貢献する」
本年も、皆さまの変わらぬご支援とご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2026年1月吉日
五十嵐 靖行





