
お手元の紙を眺めながら、他愛無い想像に少しお付き合い下さい。
「無限に折り畳むことが出来る厚み0.5mmの紙を100回折り畳んだら、どれくらいの厚みになるか?」考えてみたいと思います。1回折り畳むと厚みは1mm, もう1回折り畳むと2mm、さらに折り畳むと4mmといった具合です。この時点で、どれくらいになるか、すぐに思い付いた方はおられるでしょうか?
数学に詳しい方は、この問いが「ねずみ算」の事例であることを思い付かれたかもしれません。計算してみると、10回目で紙の厚みは512mm 、20回目で524m、21回目で1km になります。23回目で富士山を超えて4.2km、32回目で本州(1,500km)を超えて2,147kmに達し、40回目で地球と月の距離(38万4,400km)を超え、55万Kmに到達します。
さらに折り畳んでいくと48回目で1.4億km、ほぼ地球と太陽の距離に近い値です。
52回目で土星を超え、66回目には太陽以外では地球に最も近い恒星ケンタウルス座に近づき、73回目でオリオン座のペテルギウス(500光年)に達します。ちなみに1光年は9兆4600億kmとして計算しています。
81回目で天の川銀河の直径を超え、86回目でアンドロメダ銀河を遠く超え、98回目で宇宙の年齢(137億光年)を超えて167億光年に達します。そして100回目では、ついに理論上観測可能な宇宙(半径465億光年)も超えて、670億光年に到達します。簡単にはイメージ出来ない世界観ですが、上図グラフご参照下さい。計算では91回目で1.3億光年に達し、それ以降の値は指数関数的に加速して上昇していきます。

2020年4月7日 新型コロナウィルス感染が都市部で急速に拡大している事態を受けて、政府は東京など7都府県を対象に「緊急事態宣言」を行いました。 4月12日現在、国内感染者の累計は7,000名、国外感染者の累計は160万人を超えています。
感染者の累計推移をグラフでみると、どの国でもある時を境に指数関数的に増加しています。このグラフを見たとき、ねずみ算のグラフとそっくりだったことに思い至ったことが、今回のコラムを書いた動機でした。
ご紹介した事例は、あくまでねずみ算の一例であり、今後の感染症の動向を予測しているものでは決してありません。感染拡大を抑止することの大切さと、正しい対処をしなければ、手に負えない事態を迎えてしまう恐れがあることを感じて頂く機会になればと思っています。
各企業様、そしてご家庭の皆様の御無事と安全を、心より祈念致します。
以上