ゴム製品の表面付着物におけるFT-IR分析

ゴム製品に含まれる様々な添加剤が表面に露出すると製品の外観や機能に影響を与えることがあります。

今回はFT-IRを用いてゴム製品の表面に付着している物質を同定した例を紹介します。

有機系添加剤のブルーム

白化した黒色ゴムの表面に付着している物質を採取してFT-IR測定を行いました。

白化したゴムの表面付着物におけるIRスペクトルは脂肪酸アミドであるエチレンビスステアロアミド(EBS)のスペクトルと一致しました。脂肪酸アミドはゴムの加工助剤等として用いられる物質であり、この物質のブルーム(製品表面への粉状物質の析出)が生じたと考えられます。

ゴム製品には様々な添加剤が含まれており、成形条件や保管状態によってはそれらの添加剤がブルームすることが知られています。脂肪酸アミド等の有機系添加剤は比較的ブルームしやすいため、有機物分析を得意とするFT-IRはブルームした物質の同定に適しています。

無機系添加剤の表面分布

外観が異なる2つのゴム(白みを帯びたゴムと橙色のゴム)の表面を擦ると、どちらからも白色の粉末が得られました。この2つのゴムから得られた付着物におけるFT-IR測定を行いました 。

白みを帯びたゴムと橙色のゴムの表面から得られた付着物のIRスペクトルは互いに似ており、これらはタルクのスペクトルと似ていることから、どちらのゴム表面にもタルクが存在すると言えます。ただし、ゴム内部にはタルクが含まれていないことから、このタルクは製品同士が固着するのを防ぐ目的で表面処理されたものであり、外観の違いは主にタルクの表面分布量の差によるものではないかと考えられます。

ゴム製品には有機物だけでなく無機物も添加(表面処理)されています。無機系添加剤は有機系添加剤のようにブルームすることはほとんどありませんが、表面処理や表面摩耗等による露出量(表面分布量)の差によって製品の外観や機能に影響を与えることがあります。ゴム製品に添加されることが多いタルクやシリカ、炭酸カルシウム等の一部の無機物はFT-IRでも同定することが出来ます。

ゴム製品や樹脂製品における表面付着物分析の際には

FT-IRをはじめ適切な方法をご提案いたしますのでぜひご相談ください。

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