まずはキーボードの内部構造を見てみよう
ノートパソコンのキーボードのほとんどは、パンタグラフ方式と呼ばれる構造になっています。 これは電車の集電装置(パンタグラフ)の形に似ているため、こう呼ばれるようになりました。
文字が書いてある指にあたる部分のことを、キートップと呼びます。
上記写真の白い部分をパンタグラフ、オレンジの部分をラバードームもしくはラバーカップなどと一般的に呼ばれています。
キートップ、パンタグラフなどを外して分解すると、下記のようなラバードームのシートがでてきます。
更にラバードームのシートの下には、電気配線が引かれているシートがあります。
このシートは2層になっており、お互いの電極が接触することによって、キーが押されたことが認識されます。
キーボードの不具合について
キーボードの不具合症状で一番多いのは、やはり「キーが効かなくなってしまった」という申告です。そして、その不具合の原因の大半は「液体の混入によるもの」です。
キーボード表面にこぼれた液体をふき取っても、中の電気配線が引かれているシートまで液体が侵入していると腐食してしまい、通電できなくなりキーが効かなくなってしまいます。また、ラバードームの戻りも悪くなってしまい、キートップが凹んだまま戻らなくなったりする場合もあります。(参考:ノートパソコンに飲み物をこぼしてしまった! )
Lenovoのパソコンは電源ボタンも搭載されている場合があるため、キーボードの故障により電源が入らなくなることもあります。またWindowsの動きがおかしい(動作不良の)原因が、キーボードということもありました。これはキーボードが押されたままになっていたことにより、不具合が発生していたようです。
それ以外にはキートップが外れてしまったなどの物理的破損においても、修理依頼をいただいています。
キートップの交換について
「キートップの印字が消えてしまった」「キートップが外れてしまった」という理由で、キートップの修理だけをしてもらえないかというお問い合わせを、稀にいただきます。同じ機種のキーボードでもいくつかのベンダーがあるため、キートップのみの修理対応は非常に難しく、キーボード一式の交換対応となります。
以下の写真のように同じ機種でも構造が違いキートップ、パンタグラフ、ラバードームも形が違います。
最後に・・・
キーボードは液損に弱く、一度液体が混入してしまうと、拭いても完全に除去することは困難です。 液損させてしまった場合、最初のうちは使えるかもしれませんが、腐食が進行し使えなくなります。
(あたりまえですが)パソコンを故障させないためには、やはりPCの近くに液体は置かないのがベストです。
また、キートップの劣化(外れ)ですが、日頃から「キーの真ん中を押すことを意識する」ことにより、パンタグラフへの負担を軽減し、キーボードを長持ちさせることが可能です。
ちなみにアイテスではキーボードを、16,000~21,000円程度で取り扱っています。また、50機種以上のキーボードの在庫を所持していますので、在庫がある機種は迅速な修理対応ができます。
修理のノウハウを惜しみなくお伝えする本企画『明日から修理屋さん』いかがでしたでしょうか。 次回は入門編⑦『光学ドライブ編』をお伝えいたします。お楽しみに!!